節税:小規模企業共済制度、掛金のメリット

 今日は節税について。公的な節税制度としてよく知られている小規模企業共済についてです。

 大企業では退職金制度があって当たり前です。でも個人事業主や小規模法人の役員にはありません。

 小規模企業共済制度はこれをカバーする制度として、国の機関である(独法)中小企業基盤整備機構により運用されています。

 税制上のメリットとしては以下の2点です。

  ① 小規模企業共済等掛金控除として掛金全額が所得控除の対象となる

  ② 受取時には退職所得、又は、公的年金所得、一時所得として課税される

 今回は①の効果についての説明です。

 

  ①の効果額は小規模企業共済のHPに表がありました。

 簡単に検証してみましょう。

 課税所得が1,000万円、掛金月額が7万円、表の右下のケースです。

 課税所得が1,000万円の場合の所得税率は33%、復興特別所得税率は2.1%、住民税率は10%となります。

 所得税の節税額は掛金年額840,000円×33%=277,200円

 復興特別所得税の節税額は277,200円×2.1%=5,800円

 住民税の節税額は840,000円×10%=84,000円

 トータルの節税額は277,200円+5,800円+84,000円=367,000円と計算されます。

 

 お金の動きで考えると、840,000円を支出することになりますが、税負担が367,000円軽減されるので、差額の473,000円の支出で済むということになります。

 ただ、実際には毎月70,000円掛金を支払って、翌年に確定申告で計算した所得税を納付、さらにその後で住民税を分割して納付という流れになるので、節税になったっという意識は全く残らないでしょうね。

 確定申告書を作成するときに控除額有りの場合と無しの場合の2つのパターンを作って比較して初めて節税効果が認識できます。でも住民税の節税額は確定申告書では見えないので…

 効果は間違いなくある制度ですので、未加入の方は是非とも加入を。通常は長い期間掛けることになるの無理の無い金額にするのがベターでしょう。事業を開始したすぐの人でも月1,000円からの加入を検討下さい。受取時に効果額が違ってくることもありますので。

 次回は受取時の効果についてです。