決算について金融機関勤務時に欲しかった情報
金融機関ではお客さんの決算が完了したら速やかにその決算書を頂いて、格付を行います。また、お客さんのいろいろな情報を取りまとめた情報ファイルを更新する作業なんてのもあります。そういった作業を決算書を見ながら行っていくわけですが、詳しい情報が欲しいな~って思うことが多々ありました。
多々ある中でも私が是非とも欲しいな~と思っていた情報は売上高・仕入高の内訳です。
金融機関が融資をする場合に考えることは、「何に使う」「どうやって返す」「万一の時にはどうする」ということです。
「何に使う」のところは、運転資金であれば仕入か経費の支払い、設備資金であれば機械とか不動産とかの購入ですね。
「どうやって返す」のところは、運転資金であれば売上高で返済、設備資金であれば利益で返済という感じです。
「万一の時にはどうする」のところは、預金を担保に入れてもらっていたらその預金で、不動産を担保に入れてもらっていたらその不動産の売却代金で、保証協会の保証があれば保証協会に代位弁済してもらって融資を回収する、という感じです。
運転資金の融資をする場合に、どの先にどれくらいの売上があるのか?とかどの先からどれくらい仕入しているのか?とか知っておきたい訳なんですが、決算書の損益計算書に表示されている売上高や仕入高は一年分が合計された数値なんですよね。当然中身は分からない訳ですよ。
で、お客さんに聞いてみるんですが、すぐには答えが返ってこない。返ってきても結構適当に、メインが7割ぐらいかな~とか半分くらいかな~とかなんとか。あと、税理士に任せてるから聞かなわからんとか…。
結局よくわからないんで仕方なく勘定科目内訳書の売掛金残高や買掛金残高の割合で売上高や仕入高を按分してみたり…。ということをやっておりました。
さて、今は融資をするのに決算書を見る立場から、決算書を作る立場、お客さんをサポートする立場に位置づけが変わりました。金融機関の立場から見て欲しかった情報をすぐに提供するにはどうしようか?ということを考えています。
決算書は一本いっぽんの仕訳の集合体です。その仕訳は会計ソフトに入力していきます。今の会計ソフトにはいろいろな機能が付いています。でも、実際には高度な機能は使いこなせていないのが実情です。
IT化はどんどん進んでいますが、結局のところ使いこなせてなんぼ。お客さんとそのステークホルダーが必要とする情報をいち早く提供できるような仕組みづくりをしっかり行いたいと思っています。